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上間京子のコラム「賢い患者になろう」その232013-03-11 16:53:11
<患者さんが一番の先生>

私はよく言われるところの現場主義。
臨床の現場、特に患者さんが一番の先生だと心底感じています。

先日も大阪のある医院でのことでした。リウマチの持病があるTさんは61歳で生け花を教えていらっしゃる上品な女性です。
お口の中を拝見すると小さな口腔内ミラーが張り付くほどお口の中がカラカラに乾いています。
「体調がお悪いのではありませんか?」とお聞きした私に「リウマチのお薬が新しくなってから口が渇いていけないのです」と。
結局、歯科でのケアーの帰りにかかりつけの内科に行かれることになりました。
まだ若い担当歯科衛生士にはさっそくコピーさせて頂いたお薬手帳のその新薬を調べるようにアドバイスしました。

お口の中の小さな変化は意外な体のサインであることが少なくありません。

患者さんあっての私達の学び、成長の糧なのです。

~私の一大決心~「担当患者さんを持つことを止めました」
その1


先月「一生分で考えれば私の歯周病治療費20万円は高いでしょうか?今まで受けられた患者さん、ピタッ!と治っています」と、偉そうに高飛車なことを書きましたが、正直申し上げて今もこの気持ちに変わりはありません。しかしこの記事を書いてしばらく経った頃、私の心の中にひとつの決心が出来ました。
このブログでそのプロセスは書ききれませんが、“大きな気付き”とも言えます。
私の一大決心とは

“今後上間京子は歯科衛生士として歯周病の治療をするのを止める”

つまり私だけの担当患者さんを持たないということです。このコラムを読んで下さっている患者さんには『たいそうに何のこと?意味が分からない』と思われる方が多いと思います。でも・・私にとってこのことは重大なことなのです。人生の方向転換といっても過言ではありません。

~私の一大決心~「担当患者さんを持つことを止めました」
その2


そもそも私が渡辺先生にお願いして自費の歯周病治療を始めさせて頂いた第一の理由は、歯科衛生士の仕事に“社会的な価値”を持たせたいという切なる願いからでした。
しかし今回、私の気付きをうながしてくれたのは昔から伝わるこの「ことわざ」でした。

【二兎追うものは一兎をも得ず】

私の一番の仕事(したいこと)は歯科衛生士の現場教育です。

しかしその反面で私は、担当患者さんを持って治療したい仕事の結果を出したいという願望を強く持っていました。
歯科衛生士先進国のアメリカに歯科衛生士と歯科医師のダブルライセンスを持ったジェンキンスという歯科衛生士がいます。
ジェンキンス先生は80歳という高齢ですが、大学で教鞭を取る傍ら、長く自分の担当患者を持って治療にあたっていました。
全米の歯科衛生士の憧れの存在です。実は私も密かにジェンキンス先生憧れていました。
教える端くれでありずっと治療する身でいたいと思っていたのです。

~私の一大決心~「担当患者さんを持つことを止めました」
その3


こんな私の“大きな気付き”それは・・せっかく私の患者になって下さった方々を大切にできていないという大変な事実と、もっと私が本気になければいけないことは何か?に気付かされたのです。

思えばフリーランスになる前、40歳はじめから50歳の直前まで、勤務先であった広島のある医院で私は多くの患者さんを担当していました。
数百の患者さんたちのひとりひとりの記録を克明に取り、管理ファイルを作成してどの患者さんのことを聞かれてもすぐさま答えられるほど熱心に診療していました。
来院が途絶えたり気になる箇所がある方にはこまめにお葉書を出したりと深く想いをかけていました。
その当時のことは中国新聞の人気コラム「緑地帯」に【口の中はドラマ】というタイトルで連載させてもらいました。
しかし今、私はひとりでも多く患者さんのお役に立てる歯科衛生士を育てたいという強い気持ちに駆られています。

その気持ちを優先することが私の大事な役目です。私の担当患者さんを持つことは諦めました。


~私の一大決心~「担当患者さんを持つことを止めました」
その4


 二兎追うことを止めて、一兎を得たいと心に決めてから、私はますます歯科衛生士の現場教育が楽しくなりました。

私の愛読書の一つである本田健氏の【ユダヤ人大富豪の教え】の中にある

「人生に迷ったとき、自分が何をすれば楽しいか胸に手を当てて聞きなさい。そして、自分のハートの声を、人生の羅針盤にするのだ。自分の中にあるドキドキ、ワクワクを感じなさい」

という大好きな一文を、心の引き出しから取り出して、今、掌の中で温めています。

誤解を怖れずに言えば、患者さんが良くなっていく過程に寄り添わせて頂く何倍も歯科衛生士達の育ちに同行することの方が、私には楽しく生きがいを感じます。今回4回にわたって私の一大決心を書かせて頂きました。

末筆ながら私の研修日程に合わせてオンザジョブトレーニング(OJT)のために御来院下さる患者様に心からお礼申し上げます。今後ともよろしくお願い致します。

職歴・経歴

出版物・DVD・オリジナルグッズ